とにかく楽しんで観られたので、エンターテイメント性には文句なし。

問題は何の能力もない青年がレミーの力を借りて成功する、というストーリーで、青年が成功を享受していいのか、ということだ。 ラスト、青年が継いだ店は結局つぶれてしまい、別の店をはじめることのなる。 もともと評判がある店を経営するのではなく、一からはじめなければならないということで、青年も何かしら苦労をするだろうということが伺える。 またレストランのシェフたちも失ってしまうなど、ただ安穏と棚ぼたで成功して終わりではないということで、あやういながらも、倫理的なバランスを保っている。

レミーが食べ物を盗む問題、レミーと家族の問題も同じようになんとか倫理的なバランスがとれている。

一番評価する場所は、レミーが料理をしたあとにちゃんと保健所の監査によって店が潰れてしまうところ。 ねずみが料理という時点で誰もが思う衛生上の問題から、逃げていないところにすごく好感が持てた。