しかし、ガンホのキャラクタ解釈の的確さと子役イ・ジェウンの頑張りは、親子愛の物語を堅実にかたちづくっており、よい。もちろん、後半にジェウンが歩けなくなるという展開になるのなら、前半に彼が元気よく走り回るショットのひとつでも入れておいたほうがよかったんじゃないの、などと思わなくもないが、しかしラストショットの自転車並走には素直に心動かされた。「並走」はただそれだけでわけもなく感動的である、ということを知っている程度にはイム・チャンサンは映画史に敏感なのだろう。まあ、その並走の撮り方には一考の余地があるけれども。