[コメント] 雪の喪章(1967/日)
残念ながら私の見たプリントはすでに退色により赤みが強くなりすぎており、色彩や照明に関して評価を下すことはできない。「雪」が画面と物語の基調をなすこの映画においては、その「白」の禍々しさこそが命であったはずだと思われるのだが。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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雪が降る日は誰か死ぬ。というホラー映画的でさえある荒唐無稽な物語の骨格をメロドラマ的編年記としてうまく捌ききれているとは思えないし、特に前半においては、純然たる会話シーンのように役者の演技が前面に出る場面での感情演出の粗さが気になる。しかし若尾文子が中村玉緒のうなじを剃るシーンにおける「暴力の予感」や、中村の息子を殺すことになるところの崩れる雪の「運動感」(これはカッティングがもたらすものでもある)などはすばらしい。これらこそがこの映画のエモーションだ。
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