[コメント] kocorono(2010/日)
綺麗事がまったく紛れ込んでいないというほどではないにしても、国内で活動する現役ロックバンドがここまで人間関係や金銭の問題を生々しく曝け出しますかと感心かつ心配してしまう。バンド運営の困難という特殊な状況を素材にしながら、せこいが切実な、すなわち普遍的な生活のスリルをよく描いている。
そういった意味で、bloodthirsty butchersをまったく知らずに見た観客にも訴求するところは案外にあるのかもしれない。しかしそのような人たちにも果たしてブッチャーズの音楽の魅力が伝わるものかどうか、私には判断がつかない。すでに流通している映像でも、またそれが三人時代のものでも、たとえば一九九九年のライジング・サンにおける「七月」のような有無を云わさぬ名演をフル尺で使うなどしたほうがよかったようにも思う。もちろん監督にしてもそういう案をまったく持たなかったはずはないだろうけれど。
見終えると、射守矢さんのことがいちばん好きになっていますね。やっぱり映画は人柄を映し出します。
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