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[コメント] 復讐は俺に任せろ(1953/米)

復讐の二乗。たとえ物語がどれほど現実的な世界を舞台にしていようと、ラングの映画は決まって魔界へと突入する。この映画においてその最大の契機となっているのは、云うまでもなく「自動車」と「コーヒー」である。
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**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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当時のれっきとしたスターにこんなことを云うのは却ってはばかられるが、私はこの映画を見てグレン・フォードを大いに見直した。これをグロリア・グレアムの映画、あるいはリー・マーヴィンの映画。と云ってしまいたくなる衝動にはもちろん駆られるのだが、グレアム&マーヴィンという真に傑出した俳優を向こうに回して、このフォードは立派に主人公を務め上げている。ゆるい造作の顔面でありながらも復讐鬼としての表情には凄みがあり、ギャングの護衛をぶちのめしマーヴィンを圧倒しても違和感がない。また、ゆるい造作であるからこそ夫/父としての姿にも真実味があり、映画の多面性に貢献している。そして、フォードにそのような振舞いを要求しているものが(物語の水準から云っても演出の水準から云っても)「ワンカット自動車爆破」である。

(評価:★4)

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