[コメント] サイド・エフェクト(2013/米)
そこで何で寄る/引くんだ?そこで何でカット割る/割らないんだ?そこで何でピント合わせる/合わせないんだ?何でそのカメラ位置/アングル選択なんだ?と冒頭(ちなみに第一ショットは『サイコ』。本作は全体にヒッチコックを意識してやがる)から全く乗れないのだが、決定的なのはアクションを撮れていないこと。
キャサリン・ゼタ・ジョーンズ がバッグでジュード・ロウを殴る。或いは雨中に走り出たルーニー・マーラが確保される移動ショット。また、 マーラがジョーンズを裏切り、一度ジョーンズから視線を外し、ソファに座ってもう一度彼女を見つめなおすショット。もしくはチャニング・テイタムが床に這い蹲り息絶えるカット。
ここには運動の驚きが一切存在していない。何故なら、カメラ位置、アングル、サイズ、照明の当て方が悉く間違っているからであり、そのため活劇になり損ねている。
要はフレーム内において空気が「一変」する瞬間を捕まえられておらず、それを誤魔化そうと性急な語り(場面転換する際、必ず発話者の台詞が先に被さってくる)で観客を騙そうとしているのだ。これが果たして映画(と観客)に誠実な態度といえるだろうか?
さようならソダーバーグよ、引退するなら大歓迎、もう二度と帰ってこなくていいですよ。
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