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[コメント] 湖のほとりで(2007/伊)

まず、イタリアのイメージを覆されるような自然の風景に心奪われる。そんな村で起こった事件の解決に奔走する中年刑事が良い。
青山実花

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







考えてみれば、当たり前すぎるほど当たり前の事なのだが、イタリアにこんな自然があったのだと、ちょっと驚いた。今まで見た事のあるイタリア映画といえば、ローマやヴェネチアやフィレンツェといった、美術品の宝庫としての街が殆どであり、それがイタリアという国そのものだという思い込みがあったから。

まるでカナダかスイスの風景のような中で起こった殺人事件。美しい森と湖を背景に横たわる被害者は、遺体でさえ美しいようだ。

そして事件を解決しようと奔走する中年刑事が良い。登場人物たちはそれぞれに悩みを抱え、刑事もその例外ではない。しかし、もつれた糸を解きほぐすかの様に事件の核心に迫っていくうちに、彼の中にも微妙な心の変化が現れたのであろうか、娘に、会わせる事を躊躇っていた認知症の妻を対面させる。

障害や病気は、辛いが、現実である以上逃げる事はできない。受け入れるしかない。刑事の思いが観る者の心に響く。

(評価:★4)

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