蒼井優の存在を、彼女の兄である小出恵介は「妹だと思う」と知っているのに、 探しにもいこうとしないのが不自然。庄屋なんだから、人を雇って、山狩りでも何でもできるでしょ。そもそも、蒼井が誘拐された理由というのも、今一つ弱い。

野生児のような蒼井優だけど、なんだかそう演じる事に一生懸命で、それらしく見えないし、若殿を演じている岡田将生にも同じ事が言える。だから二人が愛を語らう場面が、なんだか学芸会のように見えて困った。

さらには時任三郎が死んだ時の、蒼井優のセリフが、あまりにもありきたりで、こちらの方が恥ずかしくて、身悶えしたくなった。

もちろん悪いことばかりではないけどね。岡田将生も蒼井優も、吹き替えなしで、乗馬のシーンを撮ったと何かで読んだ。あんな風に馬を乗りこなせたら楽しいだろうな、と思わせられたくらい上手かったし、岡田将生の刀さばきもキマっていたと思う。

柄本明の演技は素晴らしかった。安定感のある、良い役者さんだと思う。小出恵介も、凛としていて良かったな。