先日、生まれて初めて寅さんを観て、その魅力が今一つ理解できないといった事を書いたわけだが、本作は声をあげて笑ってしまった。一番可笑しかったのは、失恋した寅さんが、成り行きから佐藤オリエと山崎努の乗る車に同乗してしまった場面。なんだか分からないけど、これ以上気まずい事はないって表情の三人が可笑しくって可笑しくって。

寅さんが産みの母を尋ね歩いて、連れ込みホテルの部屋に佐藤オリエと入ってしまった場面から、風見章子を母と勘違いし、最後にミヤコ蝶々がその人だと分かり大喧嘩というこの一連の流れも、コメディではベタな展開ではあるが、なんとも言えない可笑しみがあった。ミヤコ蝶々はその後のシリーズにも登場するのであろうか。

ラスト、露天を冷やかしながら京都の街を歩く母子が微笑ましかった。