[コメント] 彼の得意の芸当(1914/米)
ジョージ・ニコルズの下手さに呆れるもチャーリーのコミックセンスは生きているSO-SOサイレントコメディ
ドラマを語る上で同時代人が達成しているパッケージ感覚を心得ていない監督の不味さが悪目立ちする残念なチャーリー主演作品であるが、そんな中でもチャーリーの繊細な芸に希望の光明が差している一作である。なかでもウエスタンドアと格闘した末に、結局這いつくばってドアの足元からバーへ入っていくあたり、チャップリンならではと思わせるネタである。間違いなくニコルズやハッチンソンの着想ではないであろうあほらしさになんとも嬉しくなる。またしてもアーバックルとの共演であったが、この頃の共演作はあまり重要な絡みがない。おそらく主演のキャラクターに観客の視点を集約させようとする当時の作劇の手法なのであろう。しかし、ジャッキー・チェンはチャップリンを師と仰いだが、チャーリーとファッティが並ぶと、ジャッキーとサモハンサモ・ハン・キンポーを思わせてなんだか笑える。ともあれ、ここからスターダムをのし上がっていくチャップリンの黎明期を味わえるのは映画というメディアのありがたみを強く感じるこの頃である。
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