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[コメント] キートン半殺し(1922/米)

ナンセンスの強度と観察眼の繊細さがバランスのよい達成にしてGOOD
junojuna

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 ストーンフェイスのナンセンスがより以上の興を盛り上げる笑気煥発な作品である。ここでのキートンのハイライトは寝返りを打ったと見せかけて猛妻にフルパワーで裏拳をぶちかますところ。しかし、一枚上手の猛妻は花瓶に入った水をキートンにぶっかけるかと思いきや花瓶ごと頭にたたきつけるといった荒技でゲームセットといったなんとも馬鹿らしいナンセンスと逆転の発想が旺盛である。また一口も食べられない食事のシーンなどの描写の飛躍ぶりも豊かな観察力によって支えられているコント空間である。キートンの20年代は、コンスタントなアヴェレージによってクオリティをキープしており、その抽出されるハイライトシーンの鑑賞者による味わい方が、印象批評の高位に到達するよう食指の広い豊かさを湛えている。キートン全盛の勢いを感じる一時代の作品。

(評価:★4)

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