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[コメント] デブの自動車屋(1919/米)

コミックアイデアで構成しているであろう物語もこれといった目新しさがなくただのコント集となっていてBAD
junojuna

 ファッティ・アーバックルの限界が見え始めた20年代を間もなく迎えようとしていた年代末の駄作である。またそれは同時に、20年代に入ってブレイクすることとなるバスター・キートンの健闘がことさらに目立つステップ作品となっていて、キートンのパフォーマンスを振り返るにあたってはマイルストーン的な位置づけといえよう。しかし、アーバックルのコメディセンスという部分については、恵まれた体躯という天性のものでしか勝負できなかったところに芸人生命が決定付けられたといっても過言ではない。この当時に怒涛のごとくのペースで量産されていたアーバックルの短編コメディを見るに付け、同時代の作家に比べて、明らかに作品の質に向上の兆しが見られない狭量な世界観を露呈してしまっている。さすがに、映画技術が成長していく黎明期にだけあって、カメラポジションやアングルに幾許かの工夫の余地も見られ、舞台のスケール感を生むのに役立ってはいるが、作品の中身についての豊穣さとは無縁の器として刻印されているところがなんとも淋しい。見ているこっちがフラストレーションを感じる限界の壁である。

(評価:★2)

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