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[コメント] アマデウス(1984/米)

文句なく、映画史上10本の指には入る名画。
kazooJTR

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ピーター・シェーファーの舞台劇「アマデウス」を映画化したもの。

モーツァルトの死因とされていたサリエリによる毒殺説(現在では否定されている)を、事実ではないことを承知の上で描いた作品。この映画の凄まじいところは、人々のモーツァルトの人物像を根底から覆したこと。その点でモーツァルトを演じたトム・ハルスは素晴らしい。栄誉が与えられなかったのは、あまりにもモーツァルトに似すぎていたからだと言わたことがあったほど。

この映画は悲劇を描いている。 才はないもののモーツァルトの楽曲を理解してしまえる悲劇、唯一理解してもらえる人間から嫉妬にも似た憎悪を受け殺されるモーツァルトの悲劇。

感情を押し殺したようなサリエリ(F・マーレイ・エイブラハム)の演技は圧巻。開放的なモーツァルトと対比させ、見事に「陽と陰」が描かれている。ミロス・フォアマンは人物描写に加え、演出や場面設定、セットにまでこだわったことが、この映画が今見ても廃れていないものにまで到達させたのだと思う。

今でもこのサウンドトラックを聞く度に、鮮やかに内容を思い出すことが出来る。

(評価:★5)

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