コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] カッコーの巣の上で(1975/米)

インディアン嘘つかない
ExproZombiCreator

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







辛気臭い作品かと思いきや、あちこちに張り巡らせた伏線が効いていて、クライマックスでは脳汁が出まくりました。仲間内のやりとりも爽やかで良かったです。

鑑賞途中では「映画でなくても原作を読めば良い作品なんじゃ?」とも思っていたのですが、ラストでひっくり返りました。あれは映画で観る価値のある画です。陳腐な表現ですが、心の震える体験をしました。

伏線臭への消臭作業も丁寧です。水を飲む奴を持ち上げようとして失敗するシーンなどは「賭け」の対象とすることでシーンの意図をぼかしています。賭けのシーンを複数回登場させることで、クライマックスあたりの私の潜在意識は当該シーンを「持ち上げるシーン」ではなく「賭けをするシーン」と記憶していました(私が単純なのでしょうか?)。といっても、これらは原作の功績かもしれませんが。

しかし映画であるということで弊害もあり、インディアンは私のコメントタイトルのような、やや類型的な印象を持ちました。「インディアンが白人に自由の尊さを教えて貰って成長するなどけしからん! おまけに、ヘの字口で気は優しくて力持ちってなインディアンなんてコテコテの表現じゃないか!!」といった感想を持った怒れる方もおられるかもしれません。ケチをつけるならインディアン関係になると思いますが、私としては、全体的に見て良い作品だと感じました。

一つどうしても少し気になった点がありました。看護師を「悪者丸出し」にしないことで勧善懲悪っぽさを感じさせないよう配慮している感想を持ちました(ディストピア物に見られたくないのでしょう)。それならば「ロボトミー手術を正義と信じ込んでいる人物」を、数十秒で良いので登場させて欲しかったです。

(評価:★5)

投票

このコメントを気に入った人達 (0 人)投票はまだありません

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。