長年連れ添った犬の処理を他人に任せてしまった老人の後悔、満たされない夫人の誘惑と孤独な黒人のぼやき、そして、心やさしき男の憎めない「ある癖」…。

セットアップから伏線の張り方、ターニングポイントの展開からクライマックスに至るまで、非常に手際よくまとめられている。監督としてのゲイリー・シニーズの手腕は確かだ。何故その後１本も作品を撮っていないのか疑問なくらい。

高値安定。高品質な一本。広く万人におすすめしたいタイプの映画。

…でも、ちょっと美しすぎて、個人的な一本には逆にならないかな。誰がみても綺麗なモデルタイプの女より、ちょっとくらい崩れてても愛きょうのある女が僕は好きだから…。そう、多部ちゃんみたいな、ね。

あと、マーク・アイシャムの音楽ね。あのストリングス…。これ聞いてるだけでグッときちゃうもんね。よかったです。