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[コメント] 俺たちフィギュアスケーター(2007/米)

揶揄が一部の本質を突いていることは認めるが、結局魅せられている側への作劇上の歩み寄りがないので、視野の狭い空騒ぎにとどまる。揶揄で溜飲を下げるだけではやはり貧しい。バカっぽいけどほんとはすげえスポーツなんじゃねえの、という変容の奇跡的瞬間もついに訪れない。そんな意図も「恥じらい」も露程もないから『Shall we ダンス?』的風景にするつもりがないのは承知だが、それにしても、である。
DSCH

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







変なところで悪ふざけするので途方に暮れてしまう。ボウガンなんて徹頭徹尾どうでもいい。

はっちゃけるならもっと場所を選んではっちゃけるべきであって、ナンセンスに徹してワイヤー使うぐらいなら開眼して「テトラアクセル」くらいやったらどうなのさ、と思う。ダブルアクセルくらいで大騒ぎするのは、そういう性質の笑いなのかもしれないが、だとすればそのツボは理解できない。ただのリサーチ不足か?とにかく氷上にアクションを見いだす気概がからっきしないようで、カメラもつまらなければ劇伴もつまらない。そして遅々とした悪ふざけ。とにかく「マジ」になる瞬間が皆無である。どうかしている。

致命的なのは、もとをただせば「ダンス」の映画であるはずのところ、最後まで私が「ダンス」できなかったことである。映画を構成する何もかもが「ダンス」していない。

近づき過ぎると首チョンパ、という「必殺技」は、何だか「愛」について意外なところで真理をついているような気もして「ふうん」となるのだが、「ふうん」以上の感慨が訪れることはない。不幸話で何故か盛り上がった末のキスへのコメント「こんな話でも盛り上がれるものなのね」にもちょっと「ふうん」となったが、それまでである。

サーシャ・コーエン(本人)は気を吐いていたね。

(評価:★2)

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