[コメント] 探偵はBARにいる(2011/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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よって全く他人事とは思えないシーンのてんこ盛り。
あんなでっかい看板持ってる熱心な風俗店の客引きなどいないし、西田敏行のお祝いのパーティシーンは恐らくすすきのじゃないところで撮られてるし、第一すすきのにあんな外人たくさんいないし犯罪も多発なんてしておりません!がっ!
キャスティングが良い!
お馴染みの景色札幌を舞台にキャッキャするお馴染みの大泉洋や、めちゃくちゃ強いけどめんどくさがり屋の研究者という松田龍平など、日本映画界の弱点ともいうべき「適役」が見事に適った配役となっている。
そういった意味で白とも黒とも思わせる小雪もこれ以上ないくらいの適役だし、小道具としてのオセロも効果的である。「オセロ」以外にも「時計」「電話」「お菓子」「車」など小道具たちがガッチリと物語に絡み映画を引き立てる謂わば緻密な仕事っぷりが近年の日本映画では珍しく好感を持てた。
近年の日本映画は特に奇を衒った演出など「変なこと」が「面白い」「カッコいい」とし美徳と考える傾向にあるような気がする。タイトルや台詞回し、キャラクター造形やシーンの一つ一つにそういったものが見受けられる。そういうやつらに言いたい!
あのね!ラストシーンの小雪の銃連射シーン!あれが真っ当な「カッコいい」シーンだから!もっとああいう正統派の「カッコよさ」に震えたいんだよ!
という、気持ちを胸に“俺”は映画館を後にした。帰りに現在同時公開中の西田敏行の今役との変わり果てた落ち武者の姿を見て「社長はみんなから本当に心から愛されていたんだな」と思わずにいられなかった。
ちなみに竹下景子 は老けたのでは無く円熟味を増したのであって色気が無くなったわけでない。
そして適役適役と騒いでいるが今作品一番の適役は間違いなく高嶋政伸である。怪役で幅を拡げたね!
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