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[コメント] 新諸国物語 紅孔雀 第一篇 那智の小天狗(1954/日)

劇画タッチの演出が愉しい子供向け映画。寅さんに出てくるドサ廻り劇もこんなもので、岡本茉莉は高千穂ひづるの役処だったのだろう、と思うと感慨がある。吉田義夫が海賊だし。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







「紅孔雀の宝は鍵と地図がなければ得る事が出来ない」で元海賊の網の長者吉田義夫と信夫一角小柴幹治の顔アップ対決の導入。

小四郎錦之助の父の若い頃の思い出話。外国の神父が百歳になってもその秘密の地図探している。無尽蔵の宝の蔵でもって不幸な人々を幸せにするのじゃ。「なぜ日本なのです」「日本の人たちは世界中で一番不幸な政治を受けているからじゃ」という恐ろしい指摘があり鍵貰う。しかし捜索を続けるうちに、父は疑問を持つようになった。「富は人間を醜い争いに引き入れ、汚い血を流させるのじゃ」。で父は鍵を見せようとして「ない」。

高千穂ひづるはなんと吉田義夫の娘。小柴が盗んだ鍵貰って娘を差し出す親父。「お前によい婿が見つかったぞ」。ひどい親父である。高千穂逃げる。鍵が盗まれて高千穂喜ぶが、一角が鍵持っていて絶望。身投げしようとして小四郎抱き止める。小四郎と一角の対決。忍者と思って斬ったら松の木。そんなこんなが延々続く。半分は妖怪話みたいなタッチ。

橋の上に寝ていて跨いだ錦之助に因縁つけて「天上天下無一物、人のものは俺のもの、俺のものは人のもの」と嘯いて錦之助の家に上がり込む酔漢の大友柳太郎。「この方はあなた様のお兄イ様」。腰に下げた竹光で石の手水鉢を真っ二つ。

そのように劇画は続く。最後は断崖絶壁の対決。転げ落ちた鍵の取り合いの最中で終わる。まあ続きは観なくてもいいかな、という感想。冒頭に「NHK連続放送劇」と表記される。

(評価:★3)

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