[コメント] 大江戸五人男(1951/日)
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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松竹30周年記念映画(京都。大船は『カルメン故郷に帰る』)で、オールスターキャストの交代交代の見せ場が前半煩い(特に、泣いてばかりの高峰三枝子と下手くそな山本礼三郎)。伊藤の映画が悪かろうはずはなく、歌舞伎の枡席の切り取り方など見事なもので、いい撮影だったからいいや、この調子で顔見世興行かと見切りをつけかけると、後半やたらと盛り上る。
まず、皿を数える件の緊迫感が素晴らしく、これを歌舞伎に仕立てる町民の抵抗が心意気で、負けを認める市川右太衛門の水野か気持ちいい。歌舞伎の幡随院長兵衛では、水野はただの悪人だ。対話路線での解決に至る展開はGHQ統制下らしいところ。
殺陣がないのは52年までGHQのチャンバラ禁止令が生きていたからに違いなく、しかしそうなら風呂場のクライマックス他は刀を双方が抜かない喧嘩だからよかったのか。コードぎりぎりで作っていたのだが、だからこその収束だったのかも知れない。暗闇の提灯で名をなした伊藤映画が、提灯への火入れで終わるのにも感動させられる。
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