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[コメント] 地上(1957/日)

美点は大正期の初期労働運動の視覚化で「ストが正しいんだから警察は俺たちの味方さ」などという甘い見通しに、さも有りなんの説得力がある。課題は川口浩のモテすぎ。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







香川京子野添ひとみ安城啓子にまで懸想され、上京するラストではあわや彼女らが駅で鉢合わせのトラブルかとヒヤヒヤさせられる。好青年で正義感があるのだからモテるのも当然だろうが、色男もつらいよという感想はあまり主題と関係ないだろうに。その他も登場人物多過ぎで原作ものを上手く処理できていない大雑把な印象が残った。

佐分利信三宅邦子は戦前松竹そのままにロートルを晒す憎まれ役の役回り。大山健二の市長は憎たらしく、女衒の上田吉二郎は松竹でも同じエロ親爺で天晴。清川玉枝は顔が巨大化してさらに迫力を増している。撮影美術は良好で、舗装してない「金澤」の土塀連なる夜景を川口と野添が駆け回る件など美しい。OPの鉛色の空がやけに格好いい。

(評価:★3)

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