[コメント] 渡り鳥いつ帰る(1955/日)
ウェットな人ドライな人、人生のマダラ模様が投げ出される群像劇。脇に回った凸ちゃんの巧さが際立つ。「一女性の意見ですけど」。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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そのように片や高峰秀子や淡路恵子のドライがあり、片や桂木洋子他5名ほどのウェットがあり、岡田茉莉子他の青春まで登場し、これらが出たり入ったり、誰が悪役というのでは決してないままに一覧表が作成される。魅力的な構成だが、上手くいっていない。
森繁と桂木は偶然に同時に水死体で発見され、心中と見なされる。この組み合わせにはナンセンスな可笑しみが目論見られているんだろうなあと判りはするのだけれど、感慨が一向に湧かない。腑に落ちる組み合わせにするには引力が足りない。我々も田中絹代とともに訳が判らないねえで終わってしまう。バラバラの群像劇の収束に物語の引力を求めるのは違うと思う。ネタに使われた桂木が浮かばれない。森繁の表現が秀逸だっただけに惜しい。比べればやはりアルトマンの群像劇の投げ出し方は徹底していて優れたものだと思う。
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