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[コメント] ブラザー・サン シスター・ムーン(1972/伊)

ヒッピー・ムーブメント=米ニュー・シネマ系のひとつの達成だろう。お花畑と貧しい娘、裸一貫の男。あの時代にしか成立しない映画(本当?)だが、なんといい時代だったことか。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







この作品は、雨中で踊るフランチェスコの歓喜(神の道化師!)を受け入れる二重底の構造をキリスト教が備えているのを思い出させてくれる。キリストの足に口づけする「大審問官」。どこを見てもリアル・ポリティックスだらけの昨今でも、この二重底はどこかで機能しているに違いないと思った。

一方、晩年のフランチェスコは党派争いなどに巻き込まれたりしたらしいが、ヒッピーの凋落とこれを重ね合わせた続編がつくられれば興味深かろう、とも思った。誰も撮らないだろうけど。

(評価:★4)

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