[コメント] 果てしなき情熱(1949/日)
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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ハイソな月丘夢路への堀の恋愛感情がまずバカバカしくていけないのだが、これを音楽に昇華した先に、好きでもない女房の月丘の「愛を素直に受け入れられる時が来る」、というドラマは良いものだろう。それをできなかった堀を海岸線で楽譜を海に流して罰するのもいい収束だ。
自分の葛藤を言葉で女房に伝えられない純日本的に無口な亭主像こそが悪、というニュアンスはもっともだと思う。しかし、月丘の溺愛、献身自体がバカバカしい、という印象は拭えない。フェミニズムは女にも厳しいのである。笠置シズ子が陽気な歌を歌いまくるが、その歌が物語と何もリンクしないのも印象を弱めている。
失業時に金を堀に貰った斎藤達雄が再登場しないのは妙に思える(金が札束で渡されるのは、当時のインフレの反映だろうか)。このとき屋台に座っている歌手の女優は何て人だろう、とても印象的。月丘は別嬪、端役の伊藤雄之助はギョロ目剥いて自己主張している。
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