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[コメント] ある戦慄(1967/米)

ニューヨーク深夜の三一致の法則物というだけで興味深く、美術も撮影も優れていて、途中まではとても面白いのだが、後半は地味になる。
寒山

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







後半はもちろん電車の中の件。悪人の造形がハリウッド好みの「絶対悪」以上のものでなく、抽象に堕していて膨らみがないのが詰まらない(そもそも、酒呑んだだけであんなになるだろうか。ラリっているなら判るが)。そして登場人物は都会人の虚飾を剥がされるのだが、こういうシニックはありふれており、これが順番に続くのだろうなあと途中から判ってしまい、ウンザリさせられる。収束に至っては逃げ去る乗客たちの露骨なシニックが的を外しており、作者の身勝手としか解せない。こういうラストは嫌いじゃないが、説明不足である。

あんな夜中に電車を走らせる市当局の政策に問題があるのではないのだろうか、などという、およそ映画的でない床屋談義みたいな感想しか出てこないのだった。警視庁の警官増員に係る人件費獲得のための予算要求資料のようでもある。

ときに、チンピラはあの若者がホモだとなんで判ったのだろう。NYではああいう時間帯にひとりでいるとホモだと疑われるのだろうか。

本作鑑賞の収穫のひとつは、若き日のルビー・ディーを観られたこと。彼女の旦那は公民権運動家なのだから、作品の配役は意味深に見える。

(評価:★3)

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