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[コメント] ゲート・トゥ・ヘヴン(2003/独)

本作のドタバタを支えているのは、国境という仕組みに対する本質的な違和感なんだろう。ドイツはこれを実地に移しているのだからすごい。気持ちのいい映画。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







スピルバーグ『ターミナル』(04)と似た題材の作品だが、本作のほうが空港の色んな処に案内してくれて愉しい。バックヤードのあれこれから始まって、天窓の掃除、操縦シュミレート、豪華なショーウィンドウ、入管で叩かれる事務室の窓。「アズル(亡命)」という魔法の言葉は法を起動させる。

片言英語でほとんどが処理されるフランクフルト空港で、「キボリ」の人形が飛ぶように売れて「超カワイー」と日本語が聞かれる。日本人とはつまりそういうことになっているのだろう。映画はこの怪しいイスラム教の爺さんの魔法でもっての救出となりファンタジーに近いが、物語はファンタジーを現実にするよう要請している。冒頭に乱入していた鹿をラストで再登場させるショットが素晴らしい。マースミー・マーヒジャーの線上に描かれていたビンディーが終盤消えているのはどういうメッセージだっただろうか。

(評価:★4)

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