[コメント] 恐怖の岬(1962/米)
犯罪者への常識が違った時代の作品であり、そこの処を斟酌しないとトンデモ映画になるだろう。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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お礼参りの嫌がらせに「犯罪阻止の法律はない」と署長が私立探偵を教え、私立探偵は波止場のゴロツキによる解決を教示する。「暴力か買収か、どちらかしかない」。いまやストーカー規制法の時代であり隔世の感がある。それはこの映画の時代の反省のうえにあるのだろう。
昔の法律がいろいろ面白いホンだ。署長がミッチャムを、前科者は町に入るのに届出がいるし、「放浪罪」で追放もできると云い放つのが凄いものがある。前者はいまも警察内部にはある制度なんだろうか。前科者に人権などなかったのだろう。ミッチャム側の弁護士の云い分のほうが正しいと思わされる処がある。
ミッチャムにしてもグレゴリー・ペックの娘に「味は良さそう」と口走っているが、それだけで脅迫罪にならないのだろうか不思議。しかし「法廷で乱暴された証言を娘にさせることを、親は躊躇して裁判にかけないだろう」というミッチャムの悪だくみは推理小説っぽいいいジレンマはあった。原作がいいのだろう。こういうサイコパスものは本作と『コレクター』(65)以降、第二次ブームを迎えるのだろう。
撮影は中盤のポリー・バーゲンの階段での錯乱とか、ラストの対決とか、位置関係がよく判らず、肝心の処が面白くないショットが目立つ。
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