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[コメント] 日本暴行暗黒史 異常者の血(1967/日)

ゾラ『獣人』みたいな話だが、悪い血の遺伝なんて話にリアリティがない現代では封建的な絵空事でしかなく、何がしかの批評性も見出せない。撮影美術もルノワールに大敗。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







語り手、佐久間ただお。刑事。出身地に帰る。「あの暗いじめじめした山陰の村、呪われた土地」「呪われた者の血」。神原義男、23歳医学部「今流行りの原宿族、青山族のひとり」。半裸で半裸の女を路上に追う。この画が実にいい。刑事は同郷と知る。

明治時代、長州藩。源七、無益の厩番。「貴方はみんなの笑いモノ」さき慕う。男を暗殺しまくり、女を強姦しまくり、さきと心中。路上で裸の男が狂って裸の女が逃げ去るという画が繰り返されるが、以降は忘れたのか反復されない。

うちひとりが源七の子を産んでしまう。与一。大正時代。地主にして強姦魔。ひとおおかみと呼ばれ、狼男が連想される。女中もと襲われ妊娠、殴り殺して気がふれる。

昭和初年、もとの息子与吉と、本妻の娘よしこ。山谷初男の労農運動伝道。「男女の自由な恋愛こそ革命を起こし得るんだ」よしこを押し倒し、与吉に殴られ逝去。ふたりは勢いで抱き合う。このセックスシーンがピンク映画とは思えぬ、よしこの顔だけを捉えたもので、しかもやたら長い。与吉は獄中死。子供は地主に。語り手の母。

昭和十九年。主人公ただお出征。母親自害。地主の娘と青姦して子供残して、それが件の義男。刑事は「この血統を根絶やしにしなければならない」。呼び出して「お前は実は私の息子なんだ」射殺して自殺。

(評価:★2)

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