コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 湖の人びと(2018/スイス)

原作は小説、主人公パウルスの一人語りが朗読される。ゴダールで御馴染みの巨大なレマン湖が曇天の下禍々しく撮られ『ジャン・ブリカールの道程』の続編の趣。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ストローブはアルジェリア戦争への兵役拒否で亡命時(1958)まずスイスに避難した由。本作は彼の体験もWらされるのだろう。

フランス・レジスタンスに参加したレマン湖の漁師の体験。対岸のスイスへの密行を助けた。フランスからスイスへは人、スイスからフランスへは薬など。「逃亡者はみんな同じ水筒を使っていた。その水筒がよく網にかかった」。

中立国スイスの大戦前後の立ち位置は複雑で、中立なのにナチスドイツの占領状態だったらしい(日本のポツダム宣言受諾もスイスを介して連合国に伝達された)。パウルスも戦後は議員になったが、共産色は薄められ、バッヂは赤からピンクになった。何を怖れることがある、と結語。湖の波は高い。

(評価:★4)

投票

このコメントを気に入った人達 (0 人)投票はまだありません

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。