[コメント] 愛妻物語(1951/日)
直球勝負なメロドラマ。他の演出は特になくただもう乙羽信子を表情豊かに撮ることだけに専心されており、はっとするような陰翳に幾度か出会う。心情が滲んでいるのが美しい。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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特に「もう一年頑張ってみて」と宇野重吉を説得するときの真剣な表情はまるで別人に見える。海辺のブランコも好きなシーンで、どうしようもなさを表現して素晴らしい。しかし病床で見る海水浴の写真は止めた方が良かっただろうに。
結核が不治の病であった頃は、このようなメロドラマは誰をも見舞う現実(あるいは衛生上の格差の問題)だったのだなあと感じる。
映画は後年の新藤を思えば大人し過ぎで、まるで40年代だ。年に数度しか笑わない殿山泰司が宇野を元気づけるために笑って酒を呑み交わす件など、どうにも作為が見えてぎこちない。雪の降らせ方がショボい辺り、低予算だったのだろうと思わせられる。木下忠司はここでも「浜辺の歌」を使っている。
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