[コメント] 嘆きの天使(1930/独)
ヤニングスが老いらくの恋を告白する。ディートリヒの海千山千なお断りを誰もが予想する。ところがこれ以降、全てのシークエンスは向こう側の世界にあり、あり得なかったはずの極右政党の政権奪取と余りにも相似形だ。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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開いてしまったパンドラの箱。可能性としてはあり得ても実現が許されるとは誰も信じられなかった事態。突然に「このウスノロ」と罵声を浴びせられる辺りの、既に奴隷だと気付かされるあの冷酷、悪夢はどうしようもなく現実なのだ。ナチの政権奪取は33年。これほど見事に時代を予見した作品はそうなかろう。現実には立場は逆転したのであり、ヤニングスはなナチの御用俳優となり、ディートリヒはアメリカに逃れる。
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