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[コメント] 東京ジョー(1949/米)

タイトルと同じ名前のカクテルが存在するが、本作を観た後で飲んだら冷凍カエルの味がするだろう。同時代に封切られていたら、タイトルは「東京ヂヨー」だったのだろう。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







いろいろあった末に判明する対立構図は、占領軍対ヤクザであり、「黒龍会のナオジロウのコミュニストのようなクーデター」を防ぐためにボギーも活躍、「日本の復興を助けるためだ」などとプロパガンダを語りだすに至る。元妻がロシア人という配置はネタ振りに終わった。

日本の話をこう出鱈目に見せられると、ハリウッドの考証が全て疑わしくなる。振袖着ているお手伝いさん、ミドルネーム(カマクラ・ゴンゴロウ・カヅマサ)、ベトナム風のつば広帽など。再会を柔道で祝う件はクマのじゃれ合いのようだ。日本での爵位は法の下の平等を定めた日本国憲法の施行により廃止されているから、49年に男爵はおかしいが、憲法施行前の時代を描いた作品なのかも知れない。どうでもいいけど。なお、日本人なのに日本語が拙いというコメントがあるが、日系2世が演じているのだから当然だろう。早川雪州はナカソネに似ている。

一方、娘のバースディパーティの和洋折衷は煌びやかな美術ではっとさせられる。ボギーのプレゼントの人形がお坊さんなのがおよそシュールだ。樋が折れて転落死するアクションもいい構図があった。良かったのはそのくらい。

(評価:★2)

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