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[コメント] ガス人間第一号(1960/日)

ガス人間来襲が判っているだろうにとても無防備な留置場。しかしこれはご都合主義ではなく風刺なのだ。コロナ禍なのにノンビリしている人々を見るとよく判るのだ。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ガスの描写は淡泊で、窓から白煙が昇る(窓から逃げている)ショットなど間抜けでいけないのだが、顔が半分ガスになるショットは格好いい。しかしそんななか、ベストショットは当然、中盤に自宅で舞の練習をする八千草薫。邪魔する三橋達也に真剣に腹が立った。

「みんな他人を犠牲にして生きているんだ」なる科白が心に残る土屋嘉男ははまり役で印象深い。しかし八千草の土屋への想いは、余りにも隠され過ぎていて最後の告白はあまりにも唐突でドラマを損ねた。あの国立劇場の舞いが想いを伝えるものだったのだろうが、これが判り辛い。件の演目が「情鬼」とかいう創作ものだからでもあるだろう。こういうものはオヅみたいに古典を引用したほうが判りやすいと思う。劇伴は録音を流すのに何で左卜全だけ舞台にいるのかもよく判らない。

(評価:★3)

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