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[コメント] 親分はイエス様(2001/日=韓国)

いい話なんだろうが説得力もコメディセンスも全く不足しており善意が空回りしているのだけが認められる類。実話という以外に何もでてこないし、二時間ドラマみたいな劇伴が映画を二時間ドラマにしており、これが晩年の斎藤耕一かあという詠嘆だけが残る。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







渡瀬恒彦奥田英二の組同士の抗争。ポンポン殺し合い。鉄砲玉がクルマで屋敷に乱入したり、見つけ出して即射殺したり、掛矢でパチンコ屋を襲撃したり店主を欄干から吊るしたり、こういうのも実話なんだろう。

渡瀬に殴られた妻ナ・ヨンヒは韓国人牧師のいる日の出町教会を頼り、奥田の妻ユン・ユソンと出会う。とんでもない偶然だが実話なら仕方がない。大阪に身を潜める渡瀬はヤク中になり妄想を見て安下宿で刀振り回し、教会で寝てカップ麺二杯御馳走になり、義理ができたと家族と教会に行く。本作で説得力があるのはこの義理堅い処だけだった。渡辺裕之が壇上でこの前も恐喝してきたと告白して逮捕。証拠はあるのか、いま喋っただろうというギャグがある。日本では教会は治外法権ではないのだった。

渡瀬は組同士の手打ちのため破門され、故郷の島の教会で十字架つくって担いで巡礼の旅。なんでこうなるのかよく判らない。渡辺のようにヤクザ生活の罪告白し、旅館館主の渡辺哲従え(妻の夏木陽子がいい)、警察前でアジり、日本縦断リバイバル十字架の旗立ててチラシ配り、ミカジメ料取りに来たヤクザを殴りつけて従えて、以下いろいろあって大歓迎で妻の通う教会へ凱旋。渡瀬が妻に褒めてもらいたくて行進したと告白しているのは正直だが、聖職者がそんなんでいいのかとも思わされる。終盤は韓国を行進して、日韓和解の件があるが唐突でよく判らず、健さんの『ホタル』に遠く及ばない。

一緒にスケープゴードにされる奥田は夜の埠頭でクルマにひとりにされた瞬間、ロックされたクルマが転がり出して海に転落という愉しい実録がある。泳ぎ出して復讐、渡瀬と対決して何か簡単に改悛して行列に加わっている。冒頭にとても多くの団体個人の協力者名が列挙されている。

(評価:★2)

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