[コメント] 素直な悪女(1956/仏)
その華麗なる女性遍歴に比べて映画監督としてのキャリアはどうなのよ?でおなじみロジェ・バディムの監督デビュー作。 監督デビュー作ということ以外は、良くも悪くもBBについてばかり語られる映画。 だからひねくれて、人と違うことを語ってみようと思う。
受け売りですけど、この映画、最初は本国フランスで受けなかったそうですよ。アメリカでヒットして逆輸入みたいな形で再評価されたんだって。 この映画が制作された1956年当時、この映画はまだ刺激的すぎたんです、きっと。フランス人=エロって思いがちだけど、イタリア人ほど奔放じゃない。どっちかというとムッツリスケベ。だから、この映画の中でBBに向けられる周囲の反応は、実に現実的なのでしょう。 日本だと同じ年に『太陽の季節』が公開されて、上映反対運動なんかがあったそうだから、こういう若者像が受け入れられる時代はまだ先の話。BBは太陽族。そういった意味では時代を先取りした映画だったんだと思う。
おそらく原題は「そして神は女を創り給うた」とかいう意味だと思う。なんだこのいい加減な邦題。いやまあ、それはいいとして、この原題から分かることは、ロジェ・バディムは監督デビュー作として、自身が最も興味あるテーマを題材に選んだということ。それはドラマでもなければアクションでもミステリーでもなく「オンナ」。
オンナ好きだからオンナが分かる。だから時代を先取りしてイイ女を描けた。これはそういう映画なんでしょう。だからBBが輝いた。
もっとも、稀代のプレイボーイ=バディムは、本当は映画監督に向かないんですよ。 だって、映画を作ろうなんて考えるのは、普通、文化系非モテ男子だから。非モテだからカメラのレンズ越しに夢想するのです。ゴダールがいい例でしょ?特にフランス映画は「女はワカラン」が基本。トリュフォーがいい例でしょ?女が分かってる人じゃダメなんですよ。
あ、そのせいか。ずっと思ってたんだけど、この映画、イタリア映画っぽいんだ。
(13.06.16 CSにて鑑賞)
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (0 人) | 投票はまだありません |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。