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[コメント] のど自慢(1998/日)

金払って映画館で観ようと思う企画ではない。日本映画にとって憂慮すべき事態。
ペペロンチーノ

というわけで私はテレビで観た。 テレビで観た映画についてゴチャゴチャ言うのはポリシーに反するのだが、そこはご容赦願いたい。

この映画、おそらく狙いは『Shall we ダンス?』なのだろうと勝手に推測する。普通の人々の日常にちょっとした非日常が入り込んで悲喜こもごもetc。笑いあり涙ありでメデタシメデタシ。

いままでこの手のジャンル(?)には寅さんという怪物がおり、その後『釣りバカ日誌』シリーズに継承される松竹のお家芸。ところが大映製作の『Shall we ダンス?』の成功は、「やれば出来るじゃん」あるいは「やはり王道」「観客は求めている」という勘違いを生みだし、『卓球温泉』など同様の企画意図の映画乱立につながった・・・と私は勝手に決めつける。

では映画としての成功・失敗の分かれ目はどこだったのだろう? (何が成功で何が失敗かは、興行成績(その差歴然)ばかりではなく、(もちろん私の主観が大だが)当サイトの皆さんの採点で結果は出ていよう。)

この映画に関して私が一つ思うのは、ノリが関西ノリというか、はっきり言って泥臭い。もはや企画意図は逸脱し、登場人物は「普通の人々」どころか「特異な人々」の集まり。地に足のついた人間がふと非日常に足を踏み入れてしまうのではなく、まるで怪物園フリークス。当然誰にも感情移入できず、正直30分で観てるのがつらくなった。『さすらいのトラブルバスター』の時もほぼ同様の感想を持ったが、あっちの方はまだそれでも許される設定だった。「歌を愛する人々に捧げる」などと殊勝なエンディングテロップが出るが、歌を歌う者を馬鹿にしているのか?とさえ思った。

そうか、成功の秘訣はやっぱり「狙い」ではなく結局は「作品」なのだな。

(評価:★2)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)アルシュ[*]

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