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[コメント] 男と女(1966/仏)

世界一どーでもいい話。★5
ペペロンチーノ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







はあ?レーサーだぁ?美人の未亡人だぁ?その設定の何処にも俺はいない。そんな設定あり得ない。『ゾンビ』よりあり得ない。そんな男女が惹かれ合おうが合わなかろうがどーでもいい。世界一、どーでもいい話。 なーんてことを思っていた20歳代。チラ見しただけで馬鹿にしてずーっと無視してた映画。

製作50周年記念デジタル・リマスター版を映画館で鑑賞。こちとらアラフィフ。もうね、面白くって面白くって。分かる、分かるよぉ、って俺がいる。ま、相変わらずどーでもいい話だけどね。

映画的な(ヌーヴェルヴァーグ的な)面白さ満載。 ロケ中心、即興演出、“自然”な素材を編集で“不自然”に見せるアンチ写実主義、「男と女と車があれば映画が撮れる」(ゴダール談)そのまんま。話なんかどーでもいい。一方で「女は分からん」というフランス映画の王道。ヌーヴェルヴァーグ時代の末期なのでその集大成という見方もできるが、むしろオマージュに近い印象で、ゴリゴリ感よりマイルド感の方が強い。だから「オシャレ映画」に見えるんだと思う。

男女2人の主人公がそれぞれ登場するシーン。2人とも子供と一緒の場面なんですが、子供を写さない。「この2人の物語ですよ」ってことを早々に宣言する。そこから徹底して2人いずれかの視点だけで話が進行する。 ロミオとジュリエット的な分かりやすい障害も発生しない。きっかけとなるような大きな事件もない。意地悪な第三者も存在しない。ただただ2人の“心”だけをカメラが切り取る大人の映画。この歳になると大人の世界が面白く思えてくるもんだ。

あ、クロード・ルルーシュ、アラサーでこの映画撮ってる。大人だな。

(16.10.30 恵比寿ガーデンシネマにて鑑賞)

(評価:★5)

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