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[コメント] 暗闇でドッキリ(1964/米)

クル−ゾ−警部の最高傑作。
jean

「ピンクパンサー」の題はつけられていないけど、まぎれもなくシリーズの二作目。警部の天敵、ドレフュスと空手バカのケイトーもめでたく初登場する、これも忘れ難い名作なのである。テ−マ曲はお馴染みのあの曲ではないけど、同じマンシーニの作であり、これもなかなかの味がある。 

シリ−ズの中では珍しく、ストーリーがきちんとしていて(笑)、ちょっとしたミステリ−仕立てになっている。でもこの作品のよさはそんなことではなくて、やっぱりクル−ゾ−警部、つまりピーター・セラーズの芸のうまさに尽きるのである。とくにラスト近くの、居間に全員が集う場面。ここでセラーズは二つの忘れ難いギャグをかましてくれる。どちらも身体を使ったもので、一つはドアにもたれた瞬間、もう一つはソファに座った瞬間に転げ落ちる、というもの。こう書くとあっけないのだけど、とにかく笑えるのだ。

これはすべてセラーズの才能といえる。ギャグをかます間、まったく表情を崩さないことや、ややアクションが抑え気味であること、それから動作やしぐさにキレがあること。これらの持ち味のおかげで、セラ−ズの演技は見ていて飽きないし、疲れない。ジム・キャリーのにぎやかさとは対極の味わい、と言えるかもしれない。(いや、ジム・キャリ−が良くないというわけではなくて、あくまでも持ち味が違うということです。)

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)甘崎庵[*]

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