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[コメント] 恋の門(2004/日)

濃密に熟成された贅沢なサブカル作品。細部へのこだわりやエロ加減も大人の成熟を感じる。ただ、サブ的にないがしろにされた内容の退屈さが趣味に合わず。070215
しど

中盤、子供が空手の型を決めるシーンがある。その体の動きが、ビシッ、ビシッと決まっていて、監督の本気度が伝わってくる。この作品の面白さは、そんな、必要以上に丁寧な、細部へのこだわりだろう。例えば、作中に出てくるおまけアニメ作品は、演出がエヴァの庵野秀明だったりする。この辺、『スペーストラベラーズ』でのアニメの安っぽさとは力の入り加減が違う。

丁寧さに気づくと、映像自体も、背景、照明、衣装、デザインなどあらゆる部分で凝りに凝っているし、カット割りがやたら細かい。役者も、地味な部分にさりげなく個性的な人を使っていたり、あらゆる要素に隙が無いのだ。まさに、サブカル路線の円熟。意外に、キスシーンなどエロ要素が生々しくて、大人的な雰囲気がオタク系バーチャル映画とも一線を画しているのも良い。

ただ、内容が希薄だから、私のようにベタでも物語を重視している者には、どうしても物足りなさが残る。慣れるまでは「細部へのこだわり」もくどいと感じられて、退屈なだけだし。

とはいえ、見所は多く、非常に贅沢な作品だ。

(評価:★3)

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