導入部の軽さには、見たことを一瞬後悔したが、さすがにゲームシーンになると面白い。ただし、このギャップを最後までひきずってしまった。

展開としては非常に面白かったのに、どうしても軽く感じられたのは、人物描写が浅いせいだろう。全ての人物に対しての説明が少なく、キャラ的な納得（こういうキャラはこういうタイプでしょ？ての）で済ませてたように思う。

本来なら、一つのゲームの過程で、人物の内面、人間の嫌らしさをあぶり出すべきだったんだろうけど、そうした深みよりも、テンポ良くシーンが移っていく展開のスピード感を重視した。面白さは増したけれども、どこか、腑に落ちない点が散在する。

どうせ浅い部分で展開するなら、香川と天海の関係を無くして、ゲーム内のドロドロのみに徹した方が面白くなったように思う。これもあって、「ざわざわ」より「さわやか」なドラマになっちゃったし。

でもまあ、「デス・ノート」コンビの競演やら、見せ場はそういうところなんだと思えば、オーバーアクションな演技も含めて、Vシネ的な「エンタテイメント」として面白かったといえるだろう。