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[コメント] 会社物語 MEMORIES OF YOU(1988/日)

市川準の映画はラストが嫌いです。
しど

市川準は、CMディレクターとしては優秀だと思うが、映画監督としては「?」だと確信している。CMで得意としているのが、「日常のずれ」、子供らしい子供がふとみせるしたたかさに笑いを生じさせるように、「ずれ」を直球勝負で見せるところが得意である。が、映画も同様に、序盤で一生懸命築き上げ、見る者を引き込みながら「そんなに上手く行く訳無いじゃん」、とアッケラカンと強引なコントのオチのように「ずれ」を落ちに持ってくる。CMの時間での「アッケラカン」と、映画の時間の「アッケラカン」とは意味が違う。人生の失敗が深みとして表現できるのなら印象に残るが、当然のようにおとずれる市川作品の「人生の否定」を見ていると、単に残酷なだけのようにしか思えない。「会社物語」もクライマックス迄はずっと心地良い内容ではあるが、突然訪れる唐突さは見た後で何か損をしたような気分になる。 しかも、それを補う物は、不安定な「日常」しか示さない。

CMなら許されるが、映画にはもっと違ったモノを皆求めてると思う。 日常のズレを表現できるのに、なぜか、「ギャグ映画」を撮らない市川準にはズルさを感じる。

(評価:★2)

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