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[コメント] 白蛇伝(1958/日)

白蛇娘は確かに艶めかしい。

宮崎駿がその青年時代に観て(*1)、アニメーションの道に入る切っ掛けになったという曰くつきのアニメ映画。また当時発足した東映動画の製作第一弾でもあるそうで、参加したスタッフもその九割九部が全くの素人で編成されていたというから、これも驚き。

物語は中国の古い御伽噺に材を取ったらしい妖怪娘と青年の恋愛もの。九割九部素人ばかりと言ってもスタッフの皆さんは相当な研鑚をつんだらしく、見応えのあるアニメーションに仕上っている。とくに青年時代の宮崎氏が惚れたというヒロイン白娘(パイニャン)は、如何にもアニメーションならではの艶めかしい身のこなし(*2)で、変転するイマジネーションの中での生かし方も優れて魅力的なものとなっているように思われる。

絵は、人が描くものだ。素人みたいな描き手達が苦心しながら手応えをもって仕上げたアニメーションだからこそ、技の巧拙を越えて、観ていた青年に伝わっていく何モノかがあったのかもしれない。

いろんな意味でエポックメイキングな映画であったのでしょう。

1)漠然とマンガ家になることを夢見、その為のモラトリアムとして大学入学を目指して勉強していた受験生時代に劇場で観て、そのあまりにも俗っぽいメロドラマの世界に、それでも憧れている自分を発見したらしい。

2)白娘の作画の参考として撮影されたライブ・アクションに、実写映画デビュー前の若尾文子がモデルとして出演していたらしい。

(評価:★3)

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