聖書の引用に関して。

そもそも犯人の計画の終着点はどこなのか。暴走による首都の壊滅？映画の中では単純にそう考えられているようだが、なぜか私は箱船の破壊が犯人の目的のように思い込んで観ていた気がする。引用されていた聖書の文句が、バベルの塔の破壊に関する個所であるが、バベルという象徴的建造物とリンクするのが、都市としての東京よりは、一個の巨大な建造物としての箱船であったからこそ、そう考えたのかもしれない。

さらに、聖書の引用との関連を重視するならば、まさにバビロン・プロジェクトの破壊こそが目的なのだということになり、犯人の目的は達成されたことになる。バベルの塔を破壊したエホバのごとく。

そうであって初めて、聖書の引用は意味を持つことになりそう。

そして、冒頭の帆場の嘲笑は、ラストの主人公たちに向けられたもののように見えてくる。

いずれにせよ、犯人の動機が明確でない以上、なんともいえない。私が分かってないだけかもしれないけど。