「モノクロで幕開け」→「"銃身の奥からバキューン"はいつもと趣向を変えつつ、ををっ、と思わせて」→「オープニングタイトルの後は目にもとまらぬアクション」ってな具合に、容姿が気にならないまま映画に引き込まれ、いつの間にか「ボンド、これでオッケーじゃーん」と納得させてしまう畳み掛け方に脱帽。金髪碧眼でいろいろ言われている中、007ファンが手ぐすね引いてお手並み拝見と構えているところを見事にぶっとばしてくれました。

ついでに言うならオープニングテーマが「You Know My Name」という曲（歌詞にサブタイトルが入ってないのは初めて？）で、最後の台詞が「ボンド、ジェームズ・ボンド」っつーのも、泣かせるじゃあないの。

QというかＰが出てこないせいで秘密兵器もなし、ボンドカーも一瞬（とは言え64年型アストンと合わせ技一本か）ですが、これまたダニエル・クレイグの今回のキャラにはマッチしていて、不満要素にはなりません。

基本、ストーリー至上主義な私ですが、ここまでスタイルがあれば他はどうでもいいですよ。

ただし、いくらソニーピクチャーズグループのコロンビア映画とは言え、携帯画面に必ずソニー・エリクソンのロゴがでてきたり、VAIOのロゴがうざかったりしたのは正直なところ。他のスポンサー関係への気遣いで言えば、レンタカーがフォード（アストンマーチンも現在はフォードグループ）だったり、（秘密兵器がないせいで時計の大写しがなかったからか）「ロレックス？」ときかれて「オメガ」と答えたりってのもありますが、まあ車と時計に関しては許してやるか。