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[コメント] スーパーマン リターンズ(2006/豪=米)

旧作のテーマ音楽が鳴り響くオープニングに、ただただ感動!で、ロイスがスーパーマン不要論の本を出していたり、シャトル事故のエピソードなどグイグイ引き込まれたがのだが。。。。。
Lacan,J

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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見終わった後、無駄な時間を過ごしたな。。という気持ちが強い。 どなたかも仰られていたが、この程度の話に2時間半もかける必要はないだろう。 90分程度に絞って、完全に子供向けの映画としてであれば、存在意義もあるのだろうけど。

この映画の背骨は、勧善懲悪モノに平行してスーパーマンとロイスのラブストーリー。

ラブストーリーとしてみた場合、スーパーマン、ロイスともに全く魅力に欠いた人物像に なっていたように思う。スーパーマンがとった行動は、突然放浪の旅に出るフーテンの寅さ んと同じレベル。喜劇なら許される設定と思うけど、ヒーローがやっちゃまずいんでは?? 5年も放置した彼女にBFや子供が居る事に真剣に落ち込んでいるのも喜劇ですか?しかも 能力を使ってストーキングの挙句、ロイスの前に臆面もなく登場。早速、空のデートに 連れ出すなど、とてもヒーローとは思えぬ所業。ヒーローでもダーティな部分があること を見せたかったのか??これでは老婆に女としての喜びを与えた詐欺師ルーサーの方が、 まだましに見える。 新作スーパーマンは、クラークケントで純情は装っても、実態は自己中な女たらしという 人物像にしか見えなかった。そしてこんな男に未練たらたらのロイスも安っぽく映る。 「スーパーマン不要論」も、最愛の人を失った葛藤(私怨)のみではなく面白い問題提示に なり得るはずが、中盤あっけなく覆されてしまう。結局単なる私怨であった訳だ。 そしてロイスはその程度の人物ということで、また安くなる。 冒頭で提示された時点で、これがストーリーの中で展開され、回収されていくのでは?との 期待は、こうしてあっけなく裏切られてしまう。

一方勧善懲悪モノとしてみた場合。仇役のルーサーは魅力的だったと思う。ただ情婦役が 全然存在感も色気もなく残念(個人的な趣味です)。部下たちも妙に強面でちょっと違うかな。 一番不満だったのは、弱点の設定。クリプトナイトがちりばめられた島に上陸しただけで 能力がすっかり落ちてしまったスーパーマンが、なぜか島を持ち上げるときは全く問題無し。 これは、ひどいご都合主義だ。 困った人たちを救う図は迫力もあってなかなかよかったし、CGは凄いなぁと思った。掴みの 部分のシャトル事故のシーンは、とても興奮した。 しかし、この映画の最大の見せ場と思われる、島を宇宙に持っていくシーン。間延びした図で大味 というか、カタルシスが得られといった代物ではなかった。

旧作と比較するのは意味が無いとは思うが、それでも思い出してしまう。他の人達を助けていたために最愛の女性を救えなかったという理不尽に激高、時間をも逆転させてしまったあの勢い。 ナンセンスな設定であっても、感動を覚えた。たまに懐かしくなってDVDをひっぱりだしもした。 果たしてこの新作は、また観てみたいと思うような映画になっているのだろうか?

(評価:★2)

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