登場人物のほとんど（というか全員？）が、放射能のせいでもう先が長くない、ということを示俊したまま話が終わるという絶望感を描き切ったのは見事である。衰弱しきった彼女を前にして、元気そうな彼氏が帽子を脱ぐと頭髪がもうボロボロになっていた場面は、かなりショッキング。

　まあ詳しい人から見れば「リアルでない」かもしれないが、このマイナス方向にしか進まない話を最後まで貫き通してるのは評価したい。劇中で赤ん坊が産まれても、希望にすらしてないもんね。この子供を待ってるのは、地獄なのだから。

　このようになってはいけない。これが本作のメッセージである。