★4 | 黒い下着の女(1982/日) | 社会の秩序に対して攻撃的で、他者との距離は曖昧なのに支配欲は強い。生きるための“生”には無頓着で、肉欲の赴くまま“性”の快楽だけを刹那的に消費し続ける。そんな愛情の断絶の化身が放つ純度の高い吸引力に男たちは引き寄せられ、振りまわされ、散っていく。
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★4 | マル本 噂のストリッパー(1982/日) | 「蛍の光」を聴きながらSEXする女に愛はあったのだろうか。スポットライトのなかSEXを見せる女に愛があるはずもない。舞台で踊る女が憧れたディスコで踊る女もまたしかり。愛なきひと夏をさすらう青年(宮脇康之)の切ない純情は、振り出しにさえ戻れないだろう。 [review] | [投票(1)] |
★5 | 色情女狩り(1981/日) | 照りつける灼熱の太陽のもとカミュの異邦人よろしく凶行に及ぶ主人公。かの三菱銀行人質事件を彷彿とさせる「ソドムの市って知ってるか?って聞いた奴のこと知ってるか?」の二重の問いに現代日本を徘徊する狂気のムルソーを見る。 | [投票] |
★5 | ガキ帝国(1981/日) | 都市で育った少年たちにとって、街とはすなわち遊び場であり、万博を目前に変貌する大阪で遊び場を取り上げられたガキたちは、知らず知らずのうちに一線を越え、踏み込んではならぬ大人の領域に迷い込む。無邪気な暴走が生んだ乱暴で唐突な青春との決別儀式。 [review] | [投票(2)] |
★4 | 聖少女拷問(1980/日) | 囚われの象徴として四季の移ろいを丁寧に描く撮影が美しい。物語は情緒を重んじSEX描写も過剰にならず、閉じられた時代の、閉じられた廓世界の、少女女郎の心象世界にフォーカスされる。わたしは幸せは諦めたけど恨みはあきらめてはいない、という叫びの切ないこと。 [review] | [投票] |