★4 | 女人、四十。(1994/香港) | 老人問題の映画なのだが一方で女性の労働問題が並列の重さで描かれるというのが巧みで救いのないテーマの緩衝剤としてマッチング。亭主を含めた主人公の家族の描写がベタつかず良い。ただ、思うのは、こういう結末でしか物語は終われないのだろうかという事。 | [投票] |
★4 | 風花(2000/日) | 役に不適合な2人のズブズブ旅路は殆ど何も訴求してこないのだが、終盤の雪のペンションの隔絶された異界からはザ・相米とでも言うべき居た堪れなさと遣る瀬無さが最奥部から滲み出る。死のうと思う時に見えるものはこんな感じだ。映画に託された遺書。 | [投票(1)] |
★2 | 夢魔(1994/日) | 石井隆が好んで撮りそうなサイコなのだが、この手の題材に不可欠のケレンやハッタリが未だ廣木演出には欠ける上に、決定的なのは学芸会かと見紛うばかりの出演陣の演技の拙劣。嗜虐願望の掌話程度なワンアイデアを無理に膨張させた退屈さも感じる。 | [投票] |
★4 | あ、春(1998/日) | 父子の邂逅の物語が枝葉の部分が立ってラストに至り父と女達との物語にすり替わってしまう構造が不均衡とも思えぬほどに役者たちの充実度が目を見張る。委ねる境地に至った相米の懐で形成された山崎と富司・藤村のトライアングル。至宝だ。 | [投票] |
★4 | 青い凧(1993/中国) | とりたてて珍しくもない文革期を挟んだ一女性の編年記だが、従容として受動的であるが故の女性ならではの強靱で柔軟な適応力が素晴らしい。透明度高い撮影は静謐であり淡々と流れて物語と溶け合う。そこにあざとさの欠片もない。子役が良いのも中国映画の常。 | [投票] |