[あらすじ] 折鶴お千(1935/日)
お千(山田五十鈴)はやくざな男・熊沢(芝田新)に食い物にされている。ある夜、前途をはかなんで自殺しようとする青年・宗吉(夏川大二郎)をお千は救う。これがきっかけで宗吉はお千の弟分となり、熊沢の下で働くことになるが、熊沢の横暴は増すばかり。やがて二人は逃げ出して自分たちだけの暮らしを始めるが、貧しさからお千は宗吉の学費捻出のため体を売り、それがもとで逮捕されてしまう。別れ別れになった二人、そして歳月は流れ…。[90分/モノクロ/スタンダード]
英題「The Downfall of Osen」。原作は泉鏡花の「売色鴨南蛮」だが、「売色」というタイトルが検閲に引っかかり、改題された。
なお本作は、映画説明者(サイレント末期には活動弁士のことをこう呼んだ)松井春聲の説明がサウンドトラックに入っているが、完全なトーキー作品ではなく、サイレント作品のようにセリフが付かず、説明字幕が挿入される。これは「活弁サウンド版」と呼ばれ、サイレントからフルトーキーへの過渡期の形式の一つであるが、このような形式が生まれたのは、当時はまだ全ての映画館にトーキーの設備があったわけではないという状況に対応するためであったらしい。
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