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[あらすじ] チャイルド44 森に消えた子供たち(2015/米)

1953年、ソビエト。「第二次世界大戦の英雄」であったレオ(トム・ハーディ)は、MGB(国家保安省。KGBの前身)のエリート捜査官として、「西側の協力者」を摘発する任務に就いていた。ある日、彼の親友である同僚の子供が、惨殺死体で発見される。しかし「楽園(ソ連)では殺人事件などは起こりえない」という理由で、「列車事故」として処理される。その頃、レオの事を快く思っていない部下のワシーリーの陰謀で、レオの妻のライーサ(ノオミ・ラパス)にスパイ容疑がかけられ、捜査を拒んだレオは、夫婦共々地方都市へ左遷される。ところが、その地でも子供が殺される事件が多発しているのだった・・・
プロキオン14

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけの解説です。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







実在の殺人鬼・アンドレイ・チカチーロ(チカティロと表記することもあり)をモデルにした殺人をテーマに、ソビエト時代の全体主義国家の元、事件を追いつつ、国家に狙われる主人公レオ・デミトフの活躍を描いた小説「チャイルド44」の映画化。原作はトム・ロブ・スミス。2008年に発表されると、海外のミステリー小説の賞をいくつも受賞。日本でも「このミステリーがすごい・海外編」の2009年度版の1位になっているらしいが、ロシアでは「発禁」になっているらしい。これは三部作の第1作。続編として「グラーグ57」「エージェント6」が刊行されている。

アンドレイ・チカチーロ・・・・実際に事件が起きたのは70年代後半から90年代初頭にかけて。ウクライナでホロドモール政策による大飢饉で孤児となる。危機的な状況の下では「人間も食料」となっていたそうで、実兄も喰われたと、チカチーロは後で知ったそうだ。実際の事件では、少年だけでなく、少女も犠牲になり、レイプされたうえ、殺され、喰われたといわれており、被害者の総数は52人にものぼるそうだ。なぜそんな長い間、野放しになっていたかといえば、この映画のようにちゃんと調べられてこなかったからということらしい。 ゴルバチョフ時代のペレストロイカの一環で、情報公開がされ、初めて「連続殺人である」ということが公になり、KGBの捜査の元、90年に逮捕され、94年に処刑される。

(評価:★4)

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