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[あらすじ] 異聞 始皇帝謀殺(1996/中国)

秦のユンジョン(後の始皇帝)チアン・ウェンは中国全土統一を目指し燕を滅ぼした。燕はユンが幼少期に人質として過した国で、当時の乳のみ兄弟カオグォ・ヨウを連れてこさせる。カオは琴の名手にして天才的な音楽家として認められており、ユンジョンはカオに来るべき新帝国の人心を一つにまとめる象徴たる国歌をつくれと命じる。しかしカオは燕の民を奴隷にし暴政をしくユンジョンに反抗。そのカオにユンジョンの娘ユエヤンシュイ・チンが近づき心を開かせるが・・・(131分)
シーチキン

史実では、始皇帝が幼少期に人質として過したのは燕ではなく趙の国。

燕の国の刺客が、秦から亡命した将軍の首と燕の地図を差し出して秦王を暗殺しようとしたシーンが登場する。これは「史記列伝」にある荊軻のエピソードで、燕の王子に頼まれた荊軻が地図の中に短剣を隠して秦王を暗殺しようとして果たせなかった。この荊軻による暗殺未遂を題材にした映画が『始皇帝暗殺』である。

燕の王子が秦王暗殺を決意したのは、この二人が幼少期には人質として趙に送られており共に過し仲が良かったが、長じてからは秦王が燕の王子を軽んじたために恨みをいだいたため、とされている。

また史記では荊軻による暗殺未遂事件の後日談がある。

荊軻には、琴の名手・高漸離という親友がおり、この高漸離は荊軻の暗殺未遂後、荊軻の無念を晴らす為に秦王の命を狙い、琴の腕前を生かして秦王に接近し、秦王はその琴を愛しそばに置くようになる。ところが高漸離が荊軻の親友であった事が露見する。

秦王は高漸離を処刑すべきだという臣下の言をしりぞけ、彼の目をつぶし危険がないようにして引き続き高漸離に身近で琴を奏でさせた。しかし高漸離は荊軻の無念を忘れず、その琴に鉛を溶かし込み、意を決してその琴を振りかざして秦王に襲いかかるが、盲目ゆえに失敗する、というものである。

さらに劇中、秦王がのった馬車が襲撃される場面があるが、これは恐らく、後の漢の高祖三傑と言われた張良が、重い石をハンマー投げの要領で放り投げて馬車を狙い秦王暗殺を謀ったエピソードを取り入れたものと思われる。

(評価:★4)

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